
最近読んだ本のうち、キャメロン元首相の報道官(マスコミ対応などの責任者)クレイグ・オリバーが書いた「ブレグジット秘録」が、文句なしに面白かった。
国民投票の実施が決まった2016年2月から、英国のEU離脱が決まる2016年6月にかけて、私は英国に住んでいて、当地の報道を目にしていたわけだが、その裏話がふんだんに書かれていた。当事者しか知りようのない話が満載で、分厚い本にもかかわらず、全く飽きず、一気に読み終わった。
この本を読むと、英国の政治家たちの立ち位置がよく分かる。キャメロンが国民投票に踏み切らざるを得なかった事情、負けるべくして負けた残留派の苦闘、テリーザ・メイの日和見、マイケル・ゴーブの意味不明の動き、各報道機関の立場などが、淡々とした筆致で解説されている。
英国は、2019年3月末でEUから離脱するが、これからまだまだ波乱がありそうだ。
英国在住経験のある人、これから駐在・留学予定の人など、英国に関わる全ての人に自信を持ってお勧めできる1冊だ。
本当は原書で読めればいいんだけど、英語力が足りません。なお、原題は「Unleashing Demons:The Inside Story of Brexit」だ。
日本人著者の書いたEU離脱本よりも遥かに面白いので、ぜひ手にとってみて欲しい。
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